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金融庁の報告書は今更だけど大事な警鐘なのだから、論点をずらさないで欲しい

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anncaさんによるPixabayからの画像

6月3日に金融庁が公開した金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」を巡って、公的年金への不安を高めるなどと国会で揉めているようです。

この報告書については指針案の時点で一部のニュースで取り上げられたので知っていましたが、この報告書の出だしの現状整理で述べられている、モデル世帯の年金受給額より家計支出額が月約5万多いというのはずいぶん前から言われていた話です。つまり年金収入以外に何らかの収入あるいは蓄えがあって、そこから補って生活しているというのがモデル世帯の平均的な状況となるわけですね。月5万を単純にかけ算すれば30年で約2000万円になるわけで、この数字に新鮮味は全くなかったです。

そもそも今どき自分たちが将来公的年金だけで満足な生活が送れるなどと考えている人はいないんじゃないかと思ってました。最近の報道を見ると、えっ、まだいるの?って感じですが・・・

肝心なのはモデル世帯の収支ではなく、自分達の年金がどの時点でいらく貰え、家計支出がどの時点でいくら必要になるのかを、自分たちのライフスタイルに合わせて時系列に把握することです。そしてできるだけ早く将来に備えた準備をすることですね。

筆者の勤めている会社では、ありがたいことに50歳くらいになると将来のお金についてのセミナーの案内が来て、早めの準備を促されたりするのですが、そんな機会のない方々は自分で気づいて準備するしかありません。
実際には50歳になってからでは遅くて、本来は中学・高校あたりでも、お金の話、投資の考え方などはちゃんと教育していくべきだと思います。

ちなみに筆者は気づくのが遅かったので資産形成は全く不十分。なので体が許す限り働きます。(^_^;;;

早めに世の中の人に気づいて貰うという意味で、今回の金融審議会の報告書は意味があると思います。なんで大臣までが否定的に捉えるのか、訳が分かりません。
ただ金融庁という立場から言われると、どうしても金融機関のもうけ話につながる環境整備の一環みたいに思えてしまい、個人的にはなんか斜に構えてしまいましたけどね。でも議論のきっかけとしては悪くないと思います。

今回この報告書に関して野党が年金100年安心は嘘だったと騒いでいますが、論点はソコじゃないだろ感がすごくします。
もちろん年金制度設計に不備があるならしっかり議論して欲しいですが、今回の報告書の趣旨である「資産形成と管理」についての警鐘を無視していませんか。
国会議員なら与党の足を引っ張ることばかり考えずに、もっと国民の為になる建設的な議論をして欲しいなぁ。

それからネットでも、年金制度に関するネガキャンみたいな意見が多いように思えますが、一部メディアの無責任な煽りに惑わされず、冷静に現実を認識して判断したいところです。

いつまでも働けるわけではないし、蓄えを切り崩して生活するのも限界があるので、生涯支給される年金の仕組みは絶対必要だと思います。国としてどうやってこの制度を維持していくのかを国民レベルでも真剣に考え、世論を気にし過ぎる国会議員に間違ったメッセージを送らないようにしたいものです。

何だか報告書が取り下げられそうな雰囲気なので、消される前にまだ読んでいない方はぜひ一読することをお勧めします。

www.fsa.go.jp